額に入れて飾るだけの経営理念はさっさと捨てろ
2016.04.28
篠田です。あなたの会社には経営理念はありますか?その理念はどうやって作ったか説明できますか?社内で浸透していますか?あなた自身の行動は理念に基づいていますか?
上記の質問でYesと言えない場合、恐らくあなたの会社の経営理念はただの飾りとなってしまっているでしょう。そんな理念は、理念とは言いません。ただの「良い言葉」です。
経営理念がない(浸透していない)と、次のようなことが起こってきます。
- 企業の存在意義やその仕事をする意味が分からなくなる→社員のモチベーションが上がらない
- どのような会社にしたいのか(何がしたいのか)わからなくなる→社内外から不信感を持たれる
- 従業員によって、もしくは部署によって判断基準が違ってくる→社内がバラバラになり不平不満が増える
正しく経営理念を理解すれば、従業員が幸福になります、企業の方向性・未来が見えてきます、社会的な信頼度が上がります、成長できる企業の特徴です。
ただし、手段と目的を取り違えてはいけません。従業員のモチベーションを上げるために、もしくは売上を増やすために経営理念を作るのではありません。
経営理念を実現するために仕事をし、その結果従業員が満足感を持って働き、業績が向上するのです。あなたは生きるために食べるのですか?食べるために生きているのですか?
経営理念とは何か
経営理念とは経営者の思いです。会社は経営者の思いを実現するための手段。経営とは経営者の思いを実現するための行動です。「経営の目的=経営理念=経営者の思い」となります。
経営理念には、経営者の強い思いが込められなければなりません。もし経営者が、従業員を効率良くお金を稼ぐための道具と思っているのならば、もしくは会社を仕事を獲得しやすくするための道具としか思っていないのならば、「従業員を幸せにする」「社会貢献する」といった理念は嘘っぱちで意味のないものです。
経営とは、人間性・社会性・経済性を追求するという目的を達成するための行動です。
これを理解していない企業に属する従業員は「社長の金儲けのために仕事をしている」と考えます。逆に、正しい経営を行い、経営理念が浸透している企業の従業員は「自分が所属する企業のために仕事をしている」と考え、本当に大きな力を発揮します。
詳しくは以下の記事にまとめてありますので、ご参考ください。
思いが変われば言葉や行動が変わる
人は、頭で考えた事しか口にしません。さらに言うならば、頻繁に考えている事はつい口から出てしまうものです。
「売上を増やせ!ノルマを達成しろ!」ばかり言う経営者の頭の中は「売上を増やす」事でいっぱいです。もちろん、売上を増やす事は悪ではありません。しかし、売上や業績にしか目を向けていない企業は、良い組織とは言えません。企業は人を育て、社会に貢献し、お金を稼いで会社を強くし、経済を潤さなければなりません。このどれが欠けてもダメです。
残業代の出ないブラック企業は叩かれ、燃費データをごまかして社会貢献を怠った企業は問題視され、赤字の続く企業はそもそも健全に事業を継続できません。
従業員が、仕事内容や金銭的、時間的に満足し、ここで頑張れば成長できる、充実感を得られると感じられる企業は、上司が「売上を増やせ」と焚付けなくても自然と売上が伸びてきます。
経営理念を作るから従業員のモチベーションが上がったり、売上が伸びたりするのではありません。社員が経営理念について理解、納得し、それに伴って行動することでモチベーションが上がり、売上が伸びるのです。
経営者は自身の事業を通じて、どのように社員に還元できるのか?どのように社会に貢献できるのか?を常に考える必要があります。しかし、聖人でない限り、頭で分かっていてもどうしても自身の利益に目がくらみ、道を見失ってしまうものです。
経営理念にはそれを防ぐための戒めの意味もあるのです。
まずは社長が、日々繰り返し経営理念に基づいた行動をすることで、哲学に基づいた経営者となります。その姿を見た従業員も経営者のように理念に基づいた行動を起こすようになっていくのです。
思いを形にすることで、行動につながる。
行動すれば思いが強くなる。
強い思いに基づいた行動は人を動かすのです。
最後にもう一度問います。
あなたの会社には経営理念がありますか?
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